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弁護士コラム

【改正債権法について③】 保証制度の改正

【改正債権法について③】 保証制度の改正

はじめに

今回は保証制度の改正についてお話します。

保証とは、債務者が債務を支払えなくなったら、代わりに保証人が支払う、という契約です。社会経済上はとても重要な制度ですが、安易な保証は過大な債務負担を招き、「他人の借金で生活が破綻した」という例も見られます。

今回の改正は、個人の保証人の保護を拡大する内容となっています。

そこで、以下の説明は基本的に個人保証人についての話となります。法人による保証については異なる規律となりますので、ご注意ください。

改正内容

保証についての主な改正内容は、以下の3点です。いずれも、事業者にとっては重要な改正となります。

  1. 個人根保証の制限が貸金等債務以外にも拡大される
  2. 事業用融資における個人保証に制限が加わる
  3. 保証人への情報提供義務が定められる

根保証の制限拡大

(1) 根保証とは

根保証とは、継続的な事業用融資など、将来発生する不特定の債務を一定の範囲内で包括的に保証するものです。

たとえば、100万円の借金について保証人となる場合、通常の保証であれば、主債務者(借りた人)がその100万円を返し終えれば保証債務も消えます。

しかし、これが根保証の場合は、「100万円の返済後、更に100万円を追加で借りた」という場合に、追加の100万円についても保証する責任を負います。

(2) これまで

根保証は、保証人の責任が非常に重くなるため、これまでも何度か保護が拡大されてきました。特に問題の大きい貸金等の債務については、以下の3つの要素について制限を課し、責任の範囲を限定しています。

  1. 極度額:保証の責任を負う上限金額
  2. 元本確定期日:保証の対象となる期間
  3. 元本確定事由:保証期間が終了する特別の事情

これに対し、貸金等債務以外の根保証(不動産賃貸借、継続的売買など)については、上記の要素のいずれにも制限がありませんでした。

しかし、借家の焼失や長期の賃料未払いなどで債務が多額になることもあるため、今回の改正で、貸金等債務以外にも制限を拡大することになりました。

(3) これから

改正法施行後は、以下のようになります。

個人の根保証一般 個人の貸金等根保証
極度額 定めなければ契約無効
元本確定期日 制限なし 原則3年(最長5年)
元本確定事由 主債務者の死亡
保証人の死亡、破産等
主債務者の死亡、破産等
保証人の死亡、破産等

元本確定期日について制限が拡大されなかったのは、賃貸借契約は通常長期に及ぶため、短期で終了すると保証の意味がないからです。

また、貸金等債務以外では、元本確定事由から「主債務者の破産等」は除外されます。これは、賃借人に破産等の事情が生じても、賃貸人は賃借人をすぐには追い出せないため、保証だけ失わせるのは酷と考えられたからです。

事業用融資における個人保証の制限

(1) これまで

中小企業への融資では、経営者やその親族・知人が個人保証をすることがあります。

これまでは、特別な規制がなかったため、義理人情で保証人となった人が、多額の保証債務を負わされてしまうケースも多々ありました。

(2) これから

安易に事業用融資の保証人とならないよう、改正法は、厳格な意思確認を義務付けました。主な要件は以下の4点です。

  1. 「事業のために負担した貸金等債務」について、
  2. 個人が保証する場合は、
  3. 保証契約締結前に
  4. 公正証書を作成しなければならない

ただし、以下のような保証人には、この制限は適用されません。

主債務者が法人の場合 理事、取締役、執行役等
総株主の議決権の過半数を有する者等
主債務者が個人の場合 共同事業者
主債務者の事業に現に従事している配偶者

要するに、経営者とそれに準ずる立場の者による保証は、これまでどおりとなります。これらの者は、保証のリスクをよく理解しているはずなので、保護は不要という考えです。

他方で、部外者が「迷惑はかけないので名前だけ貸してほしい」などと言われて保証人となってしまうケースについては、減少が期待されます。

情報提供義務

(1) これまで

保証をする際、主債務者の財産状況をよく知らずに保証人となってしまう例が多いと言われます。

これまでは、そうした情報は保証人が自分で調べなければならず、特に個人保証の場合は、リスクの把握が現実的に難しいという状況がありました。

そこで、改正法は、主債務者と債権者に、一定の情報提供義務を課しました。

(2) これから

情報提供義務の内容は以下のとおりです。

主債務者の義務 債権者の義務
義務を負う場合 「事業のために負担する債務」の個人保証 個人保証一般
情報提供の時期 保証を委託する時 保証契約締結後
提供すべき情報 ・主債務者の財産及び収支状況
・他の債務の有無、額、履行状況
・他の担保の有無、内容
・主債務者が期限の利益を喪失したこと
・債務履行状況等(保証人から開示請求があった場合のみ)
義務違反の効果 以下の要件があれば取消し可
①保証人が主債務者の財産状況等を誤認して保証した
②債権者が情報提供義務違反を知り、又は知ることができた
・保証人は、期限の利益喪失の通知があるまでの遅延損害金を負わない

債権者への情報開示請求については、現時点では違反に罰則規定がありません。ただし、無回答は債務不履行責任を生じる可能性があると考えられます。

なお、債権者への情報開示請求に関してだけは、個人の保証人に限られていないので、法人保証人もすることが可能です。

ルールの適用時期

以上の改正は、改正法施行日(2020年4月1日)以降に締結された保証契約について適用されます。

賃貸借契約が同日以降に契約更新された場合、その賃貸借についての保証契約は従前のまま継続し、現行法が適用され続ける点に注意が必要です。


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監修者情報
弁護士板垣 真吾

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