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SNS発信で気を付けること その3 著作権以外で注意しておきたい権利

SNS発信で気を付けること その3 著作権以外で注意しておきたい権利

〇はじめに

屋外に設置してある美術品や建物は、法律で著作権が制限されています。

そうすると、屋外であれば勝手に撮影しても権利の問題はないのでしょうか。

撮影に関連する権利について説明していきます。

 

〇法律的な問題点と解説

1 所有権

⑴ はじめに

撮影対象となるものは、人、動産(モノ)、不動産(土地建物)に分けられると思います。このうち、動産・不動産には、基本的にその所有者に所有権が認められています。なお、動植物も法律の上では動産に区分され、野生動物以外は所有権の対象です。

著作権の問題がないからといって許可を得ずに撮影すると、所有権を侵害してしまわないでしょうか?

 

⑵ 撮影は所有権を侵害するか

所有権は、その物を物体として独占的に支配する権利です。

写真や動画で撮影して、その写真・動画をネットに上げても、見た目を情報として利用するだけです。そのため、その物の独占的な支配を直接害することはなく、所有権の侵害に当たりません。法令上の問題はないでしょう。

観光名所になっていた有名な木について、その所有者(木が生えている土地の所有者)が、無断撮影した写真家と出版社を訴えたケースでは、木への所有権は侵害されないために違法ではないと判断されています(かえでの木事件。東京地裁平成14年7月3日判決)。

なお、撮影にあたって所有者から奪い取ったり、加工して壊してしまったりすると、それは所有権侵害の問題になる可能性があります。

 

⑶ 慣習としての問題

所有権侵害はなくても、無許可での撮影行為が慣習に反していて問題になる場合はあります。

例えば、神社仏閣、美術品や文化財は、撮影や撮影成果の利用についてお布施を支払うことが慣習になっている場合があります。

トラブルを避けるためには、所有者・管理者に事前に確認することが無難です。

 

2 施設管理権

施設の所有者は、施設に対する所有権の一環として、その施設を管理するための権利を有しています。施設の管理のために、運営・経営や他の来場者のことを考えてルールを決めることができます。純粋な私有地であれば、立入禁止を定めても問題ありません。

そのルールで撮影に制約がされていれば、被写体に関する権利侵害はなくても、撮影する側の行動が管理権侵害となり、違法性を帯びます。

ルールがある場合、施設側で公開していることが一般的です。例えば、裁判所での撮影は禁止されているところ、待合室の壁や掲示板の脇などに撮影禁止の張り紙がされています。ルールが不明な場合は、管理者に問い合わせて確認するとよいでしょう。

ルールで撮影が禁じられている場合は、撮影前に交渉を行って承諾を得ることになります。街歩きバラエティ番組では、撮影交渉をしている場面がよく見受けられます。

 

3 肖像権

⑴ はじめに

個人の尊重を定める憲法13条を根拠に、どんな人にも肖像権=”むやみに自分の姿を撮影されたり、公表されたりしない人格的利益”が認められています。

もともと憲法は国と国民との間で適用されるものですが、憲法が人権を保障している趣旨を反映させ、国民同士の間でも肖像権は保障されます。

 

⑵ どういうときに肖像権が問題になるか

判例上、人を承諾なく撮影することが違法となるかどうかは、撮影された人の社会的地位、撮影された人の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影のやり方、撮影の必要性などを総合して、撮影された人の人格的利益への侵害の程度が社会生活上我慢しなければいけない限度を超えるかどうかを判断して決めるものとされています(法廷画事件。最高裁平成17年11月10日判決)。

この判例は、写真週刊誌のカメラマンが被告人を撮影したことが問題視されたケースで、犯罪捜査目的の写真撮影に関して「みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する」と判断を示した判例(京都府学連事件。最大判昭和44年12月24日。)を踏まえて上述の判断が示されました。

 

⑶ いくつか具体的に

撮影された人が有名人であれば肖像の経済的価値(パブリシティ権)も害されがちであり、侵害は重いものと判断されがちです。パブリシティ権は、最高裁でも認められている権利です(ピンク・レディー事件)。このケースではピンク・レディーの振り付けを利用したダイエット法の広告に、ピンク・レディーの写真を使ったことが問題になりました。氏名・肖像等が持つ顧客吸引力を利用する権利を人権と認め、顧客吸引力の利用を主目的とする肖像等の無断利用は権利侵害になるとしました。

他方、撮影場所が公共の場所で、ただ歩いているなど隠れなければいけない行動をしていないような場合、もともと多くの人に見られることを前提としているのだから侵害の程度は低いと判断されます。

また、風景を撮った際に、その一部として誰なのか特定できないような状態で人が写ってしまっているような場合であれば、侵害の程度は低いものと言えます。

そして、撮影後に顔にぼかしを入れるなど画像を編集して人物を特定できないようにしていれば、容姿を記録したと言いづらくなり、肖像権侵害は否定されがちです。ただし、相手が撮られていることに気づいていて拒否しているなら、ぼかしを入れても重大な侵害といえるでしょう。トラブルを未然に防ぐためには、侵害の可能性が低いからと言って油断せず、権利侵害にならないように配慮し続けることが適切です。

ぼかしの要否については、テレビ局の判断基準を参考にすることも有効です。例えば、関西テレビは番組制作ガイドラインを公表しています。このガイドラインでは表現上の注意点や、留意すべき権利概念についても記載されているので、他の点でも参考になります。

監修者情報
弁護士風見 美瑠

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