弁護士法人萩原総合法律事務所(茨城県筑西市・常総市・ひたちなか市) | 弁護士コラム:【改正債権法について⑥】 債務不履行に関連する改正点
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【改正債権法について⑥】 債務不履行に関連する改正点

【改正債権法について⑥】 債務不履行に関連する改正点

はじめに

今回は債務不履行に関連する改正点についてお話します。

契約を締結しても、その内容が完全には守られない場合があります。解除や損害賠償など、債務不履行の解決方法についても、今回の法改正の対象となっています。改正の内容には、解釈や判例理論の明文化と、より合理的なルールへの変更という2つの面があります。ここでは、主に後者について説明します。

解除

(1) これまで

これまでは、仮に契約上の債務不履行があったとしても、債務者(債務を履行すべき側)に帰責事由(債務不履行に責任を負うべき事情)がなければ解除はできないとされていました。しかし、これでは、誰のせいでもない天災などで商品が滅失した場合は解除ができません。買主は、早く取引を切り上げて別の業者と取引したいと思っても、それができなくなってしまいます。

また、解除をするためには、その前に「履行しろ」という催告が必要とされています。判例上は、催告する意味がないような場合には無催告解除が可能とされてきましたが、条文にないルールであったため、分かりにくい状態でした。

(2) これから

今回の法改正では、債務者の帰責事由がなくても解除が可能となりました。

ただし、債務不履行が社会通念上軽微な場合や、債権者(履行を受ける側)の方に債務不履行の帰責事由がある場合には、解除は認められません。

無催告解除については、具体的な要件が明文化されました。履行不能な場合、はっきりと履行を拒絶されている場合など、催告が無意味な場合が列挙されています。

売買の瑕疵担保責任

(1) 瑕疵担保責任とは

売買した物に、欠陥(瑕疵)があった場合、売主が買主に対して負う責任を瑕疵担保責任といいます。瑕疵担保責任については、解釈上も見解が対立していたため、今回の法改正では、見解を統一し、より合理的な解決ができるように図られています。

(2) これまで

現行法で判例が採用していた解釈には、以下のような問題がありました。

  1. 商品の種類によって責任の有無が異なる
  2. 買主は解除か損害賠償請求しかできない
  3. 買主は瑕疵を知ってから1年以内に権利行使しなければならない

(3) これから

改正法は、「瑕疵」を「契約不適合」という概念に置き換えたうえで、以上の問題点に関して、以下のように変更しています。

  1. 商品の種類によらず、欠陥があれば買主の責任を追及できる
  2. 代替品や不足分の引渡請求、修理の請求、代金減額請求などもできる
  3. 1年以内に不適合があることの通知をすれば、権利行使までは不要

売主が契約不適合について知っていたか、知らなかったことに重大な過失があった場合には、1年以内に通知できない場合でも請求は妨げられません。ただし、債権一般の消滅時効(5年)は別途進行するので、注意が必要です。

また、損害賠償請求については、一般的な債務不履行と同じに考えるため、売主に帰責事由が必要となりました(現行法では、帰責事由不要とされてきました)。

請負の瑕疵担保責任

(1) これまで

請負契約についても瑕疵担保責任の規定がありますが、こちらについても、以下のような問題がありました。

  1. 買主は解除、損害賠償、修理の請求しかできない
  2. 建物の建築請負契約は解除できない
  3. 注文者は目的物の引渡しから1年以内(建物については種類により5年または10年以内)に権利行使しなければならない

(2) これから

改正法では、以上の問題点に関して、以下のように変更しています。基本的には、売買の場合と同様に考えればよくなっています。

  1. 代替品の請求や代金減額請求もできる
  2. 建物の建築請負契約についても解除できる
  3. 建物かどうかに関わらず、契約不適合を知ってから1年以内に通知が必要

ルールの適用時期

以上の改正は、改正法施行日(2020年4月1日)以降に締結された契約について適用されます。

さいごに

これまで、6回にわたって債権法改正についてご説明しました。

ルール変更の主要な点についてはご説明できたと思いますが、細かい改正は他にも多数あります。事業者の方などは、自社事業に関わる改正内容を、改めて確認・調査しておくことが必要です。

今回の法改正は、様々な取引に大きく影響を及ぼします。改正法の施行日(2020年4月1日)までに、契約書の内容を総点検するなど、万全の態勢を整えることをお勧めします。


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監修者情報
弁護士板垣 真吾

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