弁護士法人萩原総合法律事務所(茨城県筑西市・常総市・ひたちなか市) | 弁護士コラム:会社破産 Q&A
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弁護士コラム

会社破産 Q&A

会社破産 Q&A

今回の弁護士コラムは、法人の破産について、事例とともにお話したいと思います。

ある日、会社経営者のAさんは、B弁護士に相談するため、法律事務所を訪れました。

 

【事案の概要】

Aさん:

「私(A)は、食品の卸売会社を経営している者です。今年64歳になりますが、親からこの会社を継いでから何十年もの間、事業拡大のために全力を注いできました。しかし、円安の影響で多額の負債を抱えてしまい、借入れの際には私個人も連帯保証人となっています。この先、経営改善が見込めない状況であるにもかかわらず、債務者からの取立ては日々激しくなっており、会社の破産を考えています。

ただ、破産するにあたって多くの心配ごとがあるため、今回弁護士さんのところへ相談に来ました。」

 

【従業員への対応について】

Aさん:

「私の会社には、多数の従業員がいます。会社が破産した場合、従業員にはどのような手続きが必要ですか?」

B弁護士:

「会社が破産をする場合には、原則として従業員を即時解雇することになります。そのため、解雇通知書の交付や健康保険証の回収など、解雇に伴う諸手続が必要となります。

また、支払資金が残っている場合には、解雇予告手当、賃金、退職金を従業員に支払うことになります。支払資金が十分にない場合には、賃金と退職金について未払賃金立替払制度の利用が可能であることなどを従業員に説明します。」

 

【家族への影響について】

Aさん:

「私は妻と一緒に暮らしています。会社が破産した場合、家族はどうなりますか?」

B弁護士:

「家族が破産会社の連帯保証人になっているなどの事情がない限り、会社の破産が家族に法的な影響を与えるものではありません。ただし、自宅を失う可能性があるなど、事実上の影響はあるでしょう。」

Aさん:

「会社が破産すると自宅を残せないのですか?」

B弁護士:

「代表者が会社の債務の保証人となっている場合、代表者も同時に自己破産することが多いため、自宅を残すことは困難です。先ほど会社の債務額を確認させていただきましたが、Aさんが個人として会社の債務をすべて返済するのは難しいでしょう。その場合であっても、「経営者保証に関するガイドライン」の活用や親族による買取りなどの方法により、自宅を残すことができないか、検討していきます。」

Aさん:

「そうですか……。破産すると車も残せないのでしょうか?」

B弁護士:

「会社が車を所有している場合、その車は破産管財人の管理下に置かれ、破産管財人によって処分されることになります。そのため、会社が破産をすると、そのままでは車を残すことができません。そこで、破産手続開始前の会社からの買取りや開始後の破産管財人からの買取りなどの方法により、車を残すことができないか、こちらも検討していきましょう。」

 

【今後の生活について】

Aさん:

「それでも家族の生活を支えなければなりません。会社が破産した後は仕事をしてもいいのですか?」

B弁護士:

「会社の破産により事業は廃止されますが、代表者が個人として仕事をすることはもちろん可能です。ただし、会社の事業用財産の使用はできません。特に、会社と同種の事業を行おうとする場合には、財産の不当流出を疑われるおそれがあるため、事前に相談してください。」

Aさん:

「なるほど……。来年65歳になるのですが、破産しても年金はもらえるんですか?」

B弁護士:

「会社の破産に伴ってAさんも自己破産する前提で考えましょう。まず、公的年金及び企業年金は、自由財産に該当するため、自己破産しても受給が可能です。他方で、いわゆる個人年金については、解約返戻金が少額である場合を除き解約が必要となり、将来受け取ることができなくなります。」

 

【今後の手続について】

Aさん:

「破産した場合の生活についてはよく分かりました。ただ、会社が破産したことを周囲の人々に知られたくありません。会社が破産すると、誰かに分かるのでしょうか?」

B弁護士:

「会社が破産した場合、「会社の所在地」「会社名」「代表者の氏名」が官報に掲載されます。なお、代表者の自宅住所は掲載されません(会社の商業登記には代表者の自宅住所が記載されているので、代表者の住所が追跡・調査される可能性はあります。)。地元紙に掲載されることもあるため、完全に秘密にするということは、困難といわざるをえないでしょう。」

Aさん:

「破産の申立てを弁護士に依頼したら取立ては止まりますか?」

B弁護士:

「会社が破産する場合には、弁護士から債権者に受任通知を送付しても、ただちに取立てを止めることはできません。特に、Aさんの会社は営業中ですので、破産することを債権者に知られてしまうと、強引な取立てがされるなど大混乱を招くおそれもあります。そのため、弁護士に依頼した後は、内密かつ早期に破産申立てを行うことが基本的な流れとなります。」

Aさん:

「ありがとうございました。会社の破産が大変なことはよく分かりましたが、やはり破産しようと思います。今後もよろしくお願いします。」

監修者情報
弁護士岩間 和貴

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